『天野屋』で栄養満点な甘酒をどうぞ。(千代田区)

甘酒――もともとは天皇など高貴な身分の方への献上物。江戸時代以降は庶民にも広まった、日本独自の飲みもの。今では、寒いときに体を温める飲み物としてのイメージが強いけれど、じつのところ夏に飲む甘酒は、暑さでへとへとになった体の疲労回復にバツグンの効果を発揮するということ、ご存知でしたか?
今週は、そんな“夏の甘酒”が楽しめる、『天野屋』へ足を運んできました。天野屋といえば、江戸時代末期の1846年から神田明神の目の前で店を構える老舗中の老舗。お参りに訪れた人々の疲れを癒してくれる、やすらぎの場所でもあります。
おみやげ屋さんに併設している喫茶部の玄関を入ると、使いこまれて味が出たテーブルに、ちりんちりんと音を奏でる風鈴、窓の外に広がる日本庭園……古きよき日本の空間が広がります。一歩足を踏み入れただけで、時間がゆっくり逆戻りして、幼いころに帰ったような懐かしい気持ちになれるから不思議です。
到着したらまず、「冷し甘酒」(¥450)をきゅっと1杯。砂糖を一切使っていない自然な甘みと、とろりとしたやさしい飲み心地は、乾いたのどを潤してくれます。この甘酒は今も手作りしているとのこと。途方もなく手間のかかる作り方を説明すると…。
まずは、お店のすぐ裏にある地下6メートルにも及ぶ土室(むろ)という場所で、蒸した米に種麹をつけ、約35度に保った部屋でじっくり培養。米に麹菌がつき“米麹”となったところで水を加え、発酵させます。昼夜問わず、目を光らせなくてはならない甘酒は、まるで生まれたての赤ちゃんのように繊細。苦労の末に完成した、自然の恵みでもある甘酒は、発酵によって味の深みが増し、必須アミノ酸やブドウ糖、ビタミン類などたくさんの栄養を宿らせる(じつは点滴と同じ成分なのだそう)。毎朝飲んでいるというお店の皆さんのお肌はぷっくりつやつやで、いたって健康というのが、何よりの証拠です。
甘酒の世界をもっと楽しむなら、酒粕を皮に練りこんだ「甘酒まんじゅう」(緑茶つき¥500)といった和菓子のほか、店主の甘酒のよさをもっと知ってもらいたいという気持ちから生まれた、ヘルシーな洋菓子もおすすめです。甘酒入りの餡を閉じ込めたサクサクの「甘酒パイ」や、卵やバター不使用の「甘酒マドレーヌ」、甘酒の旨みが凝縮したクリームを使った「甘酒タルト」(セットで¥750)は、心にも体にもやさしく、滋味に富んだ味。
『天野屋』には、甘酒のほかにも大粒の豆を使った「柴崎納豆」や「江戸味噌」など、さまざまな発酵食品をすべて、一からこしらえています。それも自分たちの味を守り続け、味にブレがないよう、他人を介入せずに一家総出で行うそう。
美味しいものを作るために労力を惜しまない天野一家が作る本物の味を食べて、みなさんも元気100倍になってくださいね。
住所 東京都千代田区外神田2の18の15
電話 03(3251)7911
営業時間 平日9時~18時 (日曜・祝日)~17時
定休日 4月第3週・12月第1週の日曜日
http://www.amanoya.jp/
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2007-08-25 【カフェ】 | 固定リンク
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