『ナガノベーカリー』のやさしさ満点パン。(港区)
このコラムがスタートした5年前から、ずっと担当をしてくださっている編集Kさんから先日、“おいしいパン屋さんを見つけました”とメールをいただきました。溜池山王駅近くの六本木通りを車で通ると、いつも行列ができているそこは、じつは私もずっと気になっていたお店。近くで取材をした帰り、ふと立ち寄って買ってみたら、言葉どおり、ものすごくおいしい。 持ち帰り専門のパン屋さんですが、特別にご紹介しますね。
創業が、なんと60年前という老舗の『ナガノベーカリー』。4年前に改装した店舗は、小さめながらも歴史と上品さを感じさせる雰囲気。引き戸を開けると、目の前には存在感のある木製のショーケースがあり、そこにはオーソドックスな「クリームパン」(¥160)や、バターをたっぷり練りこんだ「クロワッサン」(¥170)、さまざまなお惣菜パンなど……なんと70種にも及ぶ、バラエティ豊かなパンがぎっしり! まるでパンの国に迷い込んだような空間に、気持ちがわくわくしてきます。
『ナガノベーカリー』を語るうえで欠かせないのが、看板商品の「コロッケパン」(¥180)。ほくほくのじゃがいもや千切りにんじん、グリーンピースが入ったさっくりとしたコロッケを、ほんのり甘みのあるパンではさんだお店の名物です。コロッケ入りなのに、あっさりしていて油っぽさはなし。素材同士が長所を引き出しあって絶妙のバランスを保つその味わいは、とても上品。聞けば、毎日店頭に並ぶ10種類ほどの“調理パン”は、中にはさむ具にあわせて、パンの材料の配合を変えているのだとか。
こんな風に、他の具材のよさを引き立てて最高のマリアージュを生むパンがあったり、はたまた「バケット」(¥240)や「ナガノブレッド」(1斤¥230)のように、やわらかく自己主張するパンがあったり。訪れる人とも素材とも、距離のとり方が上手な『ナガノベーカリー』の魅力の土台になっているのは、なんといってもパンのおいしさ。シンプルな材料を絶妙の割合で配合し、やさしくこねて、穏やかに寝かし、そして、溶岩窯でじっくりと焼き上げる、見事なまでのふわふわ加減と、もちもちの食感は、かみしめるたびにやさしさや温かみがじんわり伝わってくるパンです。
ショーケース隣にある工房では、オーナーの長野さんが熱い信頼を寄せる、チーフの佐野正美さんをはじめとするスタッフが愛情を込めてパンを焼く姿も見られるし、ほかほかのパンが次から次へと焼きあがる様子も見ることができます。みなさんも行列に並びながら、焼きたてパンが「パチパチパチ……」と奏でるおいしいサウンドを聞き、パンをほおばってみてください。
住所 東京都港区赤坂2の17の31
電話 03(3583)4216
営業時間 7時~19時
定休日 土曜・日曜・祝日
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2007-06-16 【カフェ】 | 固定リンク
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