しみじみおいしい『マールツァイト』のパン。(文京区)
誰にでも“恋焦がれる味”というのがありますよね。自分は何だったかなぁ…そう考えたときにぱっと思いついたのが『マールツァイト』のパンでした。基本的には持ち帰り専門ですが、その良さをどうしても伝えたいので、ご紹介しますね。
茗荷谷にひっそりと佇むここは、小さい子供からお年寄りまで世代を問わずにやって来る、とびきりアットホームなパン屋さん。小さな店内で、生地作りから焼き上げまでを少人数で行っています。店主はとってもチャーミングな女性・白井幸子さん。
『マールツァイト』のパンすべてに共通するのは、天然の“ミルク酵母”を使っているということ。ドイツでは最高級と称されるその酵母は、無農薬の野草を食べた牛のミルクから作った自家培養のもの。もともとは自宅でイーストを使うパン教室を開いていた白井さん、ふわふわでやわらかいパンが全盛期の中、日本ではほとんど馴染みのなかったミルク酵母と出会ってしまい、その秘密を追求したくなったのが、すべての始まりでした。
ミルク酵母で作るパンは、子育てと同じで、型などにはめ込まず、生地にまかせて大きくのびのびと焼くことが大切だと悟った白井さん。修行に修行を重ねたうえで、50歳になった2000年に『マールツァイト』を開きました。
酵母が“生きている”からこそ、温度や湿度の管理が難しく、生地を2回発酵させて焼くまでに10時間近くもかかるのに、今では、名物でもある「ライ麦カンパーニュ」(¥1260)や、個人的に大好きな「白パン」(¥945)やオーガニックのレーズンやくるみが入った「ノアレザン」(¥630)など……全部で40種近くのアイテムが揃っています。
「最高の酵母を使っているからこそ、その味を十二分に引き立てる素材を使いたい」という気持ちから、卵も自然のエサで育てられている合鴨の有精卵、南アルプス山系の白州の水、上質な国産小麦、無農薬の野菜……パンに使うものすべてが、作り手の見える、安全な素材なのです。
がぶりとほおばれば、ほどよい酸味、まろやかさ、コク、ほんのりとした甘み……“うまみ”が口いっぱいに広がって、うっとり夢心地に。食べるだけで幸せになれる、私の元気の源です。
ある時、『マールツァイト』のお向かいの庭に、無農薬のミカンがなりました。それをもらった白井さんはジャムにしてお返しし、またある人は砂糖漬けのピールにして白井さんに持ってきてくれました。こういうあったかいトレードができるお店は、心から信用できるし、ずっと通って行きたいなと思えます。皆さんにも、できれば白井さんと直接お話をして欲しいけれど、遠方の方はお取り寄せもできますので、ぜひ召し上がってみてくださいね。
そして。このコラムも今回が最終回となります。長年取材してきて、“食べ物に携わる人って、心の底からいい人が多いな”というのが正直な感想。いい作り手はいい味を生むのでしょうね。これからもすてきなお店がどんどん増えていくことを期待したいと思います。
最後に、今まで読んでくださったみなさま、制作サイドのみなさま、心からお礼申し上げます。本当にありがとうございました。
住所 東京都文京区大塚3の15の7
電話 03(5976)9886
営業時間 11時~19時
休み 日曜(振替月曜休日)
http://mahlzeit.hp.infoseek.co.jp/
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特注でこしらえたという、体にしっくりとなじむ椅子に腰掛けて、「ケーキをお願いします」と注文すると、ウェイトレスさんが木製の見本台に美しく盛られたケーキを持ってきてくれます。今回はその中から、喫茶だけの限定品でもある、生クリームとカスタードを組み合わせた「ハーフ&ハーフシュー」のセット(お茶つきで¥1155)に。手作りのカスタードや新鮮な生クリームを、ふわふわのシュー生地が包み込みます。ダージリン、アールグレイ、キームンから選べる「ティー」との相性は格別です。
住所 東京都目黒区目黒1の3の16 目黒ハイツ2F
突然ですが、私は原稿を書くのも仕事用の資料を作るのも、日が昇るころにスタート。起きた瞬間からバリバリ動ける超朝型人間なので、1日のスタミナを担う朝ごはんはとっても大事。ここ1年ほど、“自分へのひそかなごほうび”とか“子育てで忙しい友人に会う”ときに重宝しているのがホテルの朝食ブッフェ。都内あちこちめぐりましたが、今日はゆったりモードな雰囲気が私好みの「ウェスティン東京」にある『ザ・テラス』の「ブレックファストブッフェ」(¥3600)をご紹介しますね。
早朝から味わえる、ホテルマンたちによるすがすがしい「いらっしゃいませ」のあいさつと、気さくでありながら誠実なサービス、そしてバラエティ豊かなお料理の数々。これだから少々高くても、ホテルの朝ごはん通いはやめられません。